霊界に行ってみたら、○○なところだった…

ある日私に下った霊界からの指令。その日から、私はあの世とこの世を行き来して、霊界の問題を解決することで、この世の幸せをつくる旅をすることになった。

霊界の魔物の力を借りたら、倍返しでは済まない!?の巻【9話】

【11話】いつになく優しいミスターに、なぐさめられた…

ご先祖様である、霊界にいるひぃひぃばあちゃんが信心してきた大事な霊体。これが、なんと白い大蛇だということを知ってしまった私。

とにかく誰かに話を聞いてほしくて、そして出来たら、どうすればよいかも知りたくて、ミスターのところへ向かって歩いていた。

 

ミスターの部屋の前に立ち、ドアをノックしようとしたその瞬間。ドアが勢いよく開いた。

「えっ??」と、驚く私に、ミスターは「なーんだ、そのシケた顔は? ブサイクがシケた顔したら、救いようがないなぁー」と、いきなりひどいことを言う。

 

しかし、その顔はいつになく優しい笑顔だった。

 

私は「ミスター…」と、呼びかけたとたんに、なぜか泣き出した。自分でもよくわからない。

  

魔物たちは願いの成就と引き換えに、何かを要求する

ミスターは私をソファに座らせた。私は、さっき見てきたことを話し始めた。

「地獄のばあさんのところに白い大蛇がいたのか…。まぁ、あんまり性質のよい霊体ではないな」

 

「そうですね。そんな感じがしました。でも、すごく願いを叶えてくれましたよ。あの蛇が叶えてくれてたのですよね?」

 

「まあな。願いは叶えてくれるだろうな。その蛇だけでなく、現世利益を約束してくれる霊体は多いよ。蛇はもちろん、狸やキツネもね。これらは、人間界でもがき苦しむ人々が、時として、藁をもすがるように頼ってしまう。不思議な力で、人の願いを叶えるからさ」

 

ふうーん。そうなんだ。願いが叶うんなら、いい神さまなのかも??と、ふと思った瞬間…

 

「おい!!お前、ある意味ありがたい神さまじゃん!と今、思っただろ?? だから、お前は浅はかなんだよ。まったく…!!」と、ミスターに叱られました(-_-;)(-_-;)

 

「これらの霊体は、もとを質せば、呪術の犠牲となった動物霊だったり、人の想念が作り出した魔物だったり。正神の元を飛び出したグレた龍や天狗だったり。まぁ、そういう源を持つゆえに、神や人を恨んでいるといってもよい。そういう霊体に願いを叶えてもらうというのは、まぁ、あれだよ。人間の世界で例えていうなら、ヤクザに用心棒を頼むようなもんなのさ。

 

例えば、まぁ、ないだろうけど…、お前をストーカーが追い回していたとする。警察に行って、いろいろ説明するのもめんどくさいし…、友達のその友達がヤクザの知り合いを紹介してくれて、ストーカーをどえらく脅して、撃退してくれたとする。お前のことだから、浅はかにも感謝するわな。」

 

「ちょっと怖いけど、ありがたいかも??です」

 

「あとあれだよ。友達にお金を貸したけど、なかなか返してくれない。それどころか、返せと催促したら、逆に脅された。腹が立つ~!懲らしめてやりたい~!の気持ちから、知り合いの知り合いだったヤクザにちょこっと脅してもらって、お金返してもらった。とかな」

 

「それ、スッキリしますよねー。ざまぁ見ろ!!みたいな」

 

「そのままで済むと思うか? いつ、逆に脅されるかわからない。それはヤクザも霊界の黒いエネルギーも同じだ。本当の神は、もちろん願いを叶えてくれるし、その代償を要求することは決してない。ところが、黒いエネルギーは、願いの成就と引換えに、何かを要求するのさ。タダで願いを叶えてくれるほど、甘い存在ではないということだ」

 

私は背中がゾゾゾーと震え始めた。足も震えている。

さっきの白い大蛇の目と赤い舌が、リアルに浮かびあがってきた。

 

素順ばあちゃんは何を要求されているのだろう?? この部屋から出られないと言っていたことと関係しているのだろうか?

 

魔物に取りつかれた。それが、我が先祖の実態だったようだ。

 

 

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暗い世界