地獄の住人たちは真実が見えない、聞こえない…の巻【11話】
ついに見てしまった、地獄の地獄らしい場面を
ばあちゃんは、たびたび蛇の化け物に痛めつけられていた。
その理由は…
特に、ない(-_-;)(-_-;)
どうやら、地獄とはそういうところらしい(-_-;)(-_-;)
蛇の化け物が気にくわないことをしたというわけではなく、ただの気まぐれでばあちゃんは蛇に何度も絞殺されたいた。
あえて理由をつけるとしたら…
蛇がばあちゃんをいじめて、楽しむ、つまり<快楽>のために、気まぐれに痛めつけられ、殺されるのだ。
やっぱ、やっぱ、地獄って…ロクなところじゃない~
と思った私に天の声が聞こえてきた。
「まぁ、地獄だからな。いじめて快楽を感じたい奴といじめられたい奴がいて成り立っておるのさ」
そんなバカな…。
いじめられたい奴なんて、いるわけないじゃない!!!
じゃぁ、なに? ばあちゃんは、蛇に絞殺されたいと願っているといいうの? それも、何度も何度も。
と、だんだん怒りモードになる私。
そして、ハッと気づいた。
地獄から抜け出す方法は? いつになったら、抜けられる?
えっ、この天の声、聞き覚えあるんだけど…。まさか、ミスター??
どっから、この声、聞こえているんよ~!?
と、思ったら、それはミスターがくれた護符からだった。
私の怒りはさらに倍増した。
「ちょっと、ミスター? もしかして、あなたが持たした護符って霊界カメラなの?」
「うふふ。やっとわかったかー。そのとおり!!大正解じゃ!!」と、護符からミスターの声が響き渡った。
が、しかし…。ばあちゃんは無反応だった。
もしかして…、ミスターの声は私にしか聞こえない???
「それも大正解じゃ!! オレの波動は地獄の波動じゃないからな。ばあさんも、蛇の化け物も、オレの声をキャッチできないのだよ」
そっか、そういうことか。
じゃあ、ということで私はミスターに、MAX怒りモードで質問した。
「どういうことよ! ばあちゃんが、蛇に絞殺されることを望んでいるとでもいうの?」
「そのとおり! またまた大正解じゃよ!ワッハッハッ!」
「笑い事じゃないわよ!! なんでなのよ! あんなに苦しそうなのに!」
「その理由の1つは、罪悪感の埋め合わせたな。 最初にばあさんを小突きまわした男たち。あれは、ばあさんが蛇の魔物の力を借りて、呪いをかけた相手じゃよ。
ばあさん、死んだら、私が呪った相手たちから仕返しされると思ったんだな。だから、いま、仕返しされているわけで、もっといえば、罪悪感を楽にするために、仕返しされることを望んでいるというわけさ。
私もこんなに苦しんでいるのだから、罪は帳消しになっていくと思いたいのだよな」
「じゃあ、いつか、ばあちゃんの罪はなくなって、自由になれるの? いつ? いつ、ばあちゃんは自由になれるの?」私は意外な出口を見つけた気分で、希望に胸を膨らませて聞いてみた。
しかし、ミスターの返事は意外なものだった。
「100万年、続けても無理だな。ばあさんが真実を悟ったときだけ、ばあさんは地獄から解放される。」と。