三途の川って、どうやって渡る??の巻【2話】
暗い洞窟を抜けたら、そこは霊界の入り口だった
霊界にいるクライアントの映画関係者さん、仮にここではミスターと呼ぶことにする。
広告プロデュースするなら、まずはヒアリングに行かなくっちゃ。でもどうやって霊界にいくの? 新幹線も飛行機もないしね。一回、死んでみる?ん~なアホな・・・。
そこで祈ってみる。霊界のミスターに会わせてくださいと。何度も何度も。
目を閉じると、私は暗闇の中に座っていた。
まっくらな洞窟のようなところ。遠くの遠くにまばゆい光が見えてきた。
長い洞窟のその向こうに、真夏の太陽が輝くような光輝く出口が見える。
このまま座っていても仕方ないしね。とりあえず、あっち行ってみるか~。
と、立上り、歩きはじめる。するとまわりに何かいる。
オ、オニさんじゃないですか?
節分の豆まきのときみたいなイボイボ付きの金棒持って立ってるよー。
ひぇー!
目がブルーに光ってるよ。
ひぇー!
三途の川を、お姉さんのアテンダントで…とうとう渡っちゃったよー
でも、私は、今日は仕事で霊界へ伺うんだもんね。
恐れることないもんねと、気をとりなおす。
丹田と脳頂、天を光でつなぐ柱を立てて、歩きはじめる。
オニさんはなぁんも言わんで通してくれる。うん、よしよし。
さらに歩くと、川があった。
これが、あの噂に聞いた三途の川というものか?
ふーん、案外小さい川じゃないの。
この渡し場には、確か人に衣服をはぎ取る婆さんがいると聞いたが・・・
あれ、紺色の制服姿のお姉さんがいる?
ほら、新幹線のグリーン車に乗ると、おしぼり配ってくれるみたいなお姉さんだよ。
私の頭の中の「????」に対し、どこかから厳かな声が聞こえる「この世界のものは全て人の想念がつくる。
ゆえに、そなたの想念に合わせて、目の前の現実は姿を変える」と。
えっ、あ、そうなの?じゃぁ、お姉さんでいいです。
衣服をはぎ取る婆さんはイヤです。
と、目の前のお姉さんに思い切りの感謝を送り、
美しさと優しさを讃えて、「変わらないでね。こわい婆さんに変わらないで」と心の中で祈りながら、霊界行きの船のチケットを受け取った。
船に乗ると、意外にも船は普通。座席があり、多くの人が座っていた。私が座ると間もなく、船は動き出した。ゆっくり進むかと思いきや、かなりのスピード。
モーターボートですかい?というほどに、疾走している。どうやら、この船の行く先は霊界でも近場ではなく、遠い方の霊界らしい。ミスターは、この世で多くの人を楽しませ、また、霊界の役に立つ働きをしたこともあり、けっこういいとこに行ってらっしゃるのかもなぁと推測。
小川だと思った川は、今では水をとうとうと湛えた大河のようだ。その水面を飛ぶように疾走する霊界の船。なんか、霊界って暗くて、寒くて、怖いところというイメージがあったけど、そうじゃないのかもしれない。という気がしてきた。